Friday 15 April 2016

歩く壁


かべだ。
何を見てるの?ただの歩くかべだよ。
悲しい顔が描いてある歩くかべ。
かべに過ぎない。

いつからここにあるのは、どうして私が知るべきだか?かべだ。かべはある。かべは立ち回る。かべはそうするものだね。
むしろ人間と話して行こう。かべと話すのは、何の目的だろう。
上に悲しい顔が描いてある歩くかべ。
じゃ、行こう。かべに友人が必要なの訳じゃないだよ。
かべは、話せない。あの音はただ崩れてきている石。意味がないの。
かべは、泣けない。あれはただ穴から漏れてきている雨水。
かべは、叫べない。あれはただ隙間にきている風の咆哮。
なんて拙く建てられたんだ。まあ、醜い。もう見たくないよ。じゃ、嬉しいことをやっていこう。
ばかだけがかべに時間を費やすだろう。

かべは何もせずに、何もされない。ただあるだけだ。
かべについて考えない。ただあるだけだ。
かべと話さないものだ。となりに立って、人間と話す。
かべと笑わないものだ。上に座って、人間と笑う。
かべに愛をしないものだ。後ろに隠れて、人間に愛をふりする。
かべに構わないものだ。片方にいる人間に構って、もう片方にいる人間を嫌う。
かべはただあるだけだ。それだけだ。かべがこういうものを見たり聞いたりしない。

危ない!
あなたの上に落ちそうだった。
いったい何を思っていたの?かべは抱きしめて欲しいという?どうしてかべにハグが必要になるだろう?
怪しく、気味の悪く、危険なかべ!わざと人間を痛めてしまうのだろう?蹴る。蹴る。
あなたも蹴るべきだね。かべを殴って、かべに叫んだらいいの。かべが痛みを感じられるわけじゃないんだね。

じゃ、この価値のないものはもういつでも倒れそうだ。なんとか楽しいことをしに行こう。
まあ、かべが寂しくて、一緒に行きたがっていると言わないでね。かべだけだよ。
かべは共感できない。注目をしないほうがいい。怒らせるしかない。
とにかく誰がこんなネガティブ なかべを好むだろう?この歩いて、泣いて、叫んで、上に悲しい顔が描いてある歩くかべ?
ばかだけがかべに愛をするものだよ。


壁は皆いつか崩壊しなければならない
細かく小さくくずれ、風で吹き払われてしまう。
歩く壁さんは、その日が来るのに憧れている。
憧れているんだ。

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